アイスクリームの涙

みよ太郎も3ヶ月が過ぎ

だいぶ首が座ってきた。

よく動く子なので

スイミングスクールにでも通わせるか

なんて話をしていた。

 

私も旦那も、小さい時にスイミングスクールに

通っていたからだ。

 

私は幼稚園年少ぐらいから通っていた。

小さいうちは母親と一緒にバスに乗って

通っていた記憶がある。

 

スイミングスクールの帰りにアイスクリームを

買って食べて帰るのが習慣だった。

 

当時、アイスクリームはカップ1つで

100円で買えたので

100円玉を母からもらうと

 

年少の私は、一人で

売店のおばさんのところへ駆けつけ、

アイスクリームをゲットしていた。

 

ある時、売店に張り紙がしてあった。

 

「来週からアイス一個110円になります。」

とある。

 

ちょうど消費税の導入で

アイスクリームが値上がりしようと

していた。

 

私は、幼いながら

なんとなくだけど来週から

100円ではアイスが買えないことを

悟った。

 

だけど、困ったことに

語彙力がないので

母親にうまく説明ができない。

 

しかも、もっと多くのお金をせびるのは

ちゃんとした説明ができないと

納得してもらえなさそうだ。

 

結局、100円以上のお金を

手にすることは出来ずに

値上がりの日を迎えた。

 

おばさんに100円玉を渡すが

「ごめんね、100円ではもうアイス

買えないのよ」

と言われ100円玉を返された。

 

やっばり、もらえなかった…

という自責の念に駆られ

母親が待つバスに戻る。

 

母が 「あれ?アイスはどうしたの?」

と聞かれ、ついに

 

うぁーーーーん

 

っと泣いてしまった。

上手く説明出来ないことが

悔しくて情けなくて悲しかった。

 

 

結局それ以上上手く説明出来ず、

次の週からアイスを買うことはなくなった。

 

母にしてみれば、

あの時、何故アイスが

買えず泣いてしまったのか、

謎だったかもしれない。

 

ただ上手く渡せなかったのか、

アイスが嫌になったのか、、、、

 

 

 

 

 

 

私はこれまでもこの先も

みよ太郎の

謎のうぁーーーーんにたくさん

出会うだろう。

 

でもきっとその裏には

ちゃんとした子どもながらの理由が

あるのだろうと思っている。