園芸ババアとベゴニア

小学校の時、

担任の先生が園芸ババアとよばれていた。

 

理由は園芸が大好きな先生だったからだ。

 

それだけなら良かったのだが、

園芸の世話を担任を持った

クラスの生徒にやらせるので、

生徒からはかなり疎まれていた。

 

ホームルームの時間

他のクラスはドッチボールなどを

やっているのに

うちのクラスはサルビアを植えるため

みんなで肥料と土を運ぶ。

 

クラスの係でも園芸係を用意し、

園芸委員が別で水やりの当番が

決められているにも関わらず、

ちゃんと水やりをやっていたか

園芸係にチェックさせるほどの

徹底ぶりだった。

 

教室の窓際には園芸ババアが

愛情込めて育てたベゴニアが並び、

「ベゴニアちゃん(ハート)」と言って

園芸ババアのマネをする男子生徒も現れた。

 

しかしながらその技術は大したもので

ベゴニアはツヤツヤ

サルビアは秋には一斉に 赤く咲き誇っていた。

 

今となってはもう少し

その秘訣を伝授させて

もらっておけば良かったのかもしれない。

 

ベゴニアを見ると

たまに園芸ババアのことを思い出し、

やっぱりちょっと行き過ぎてたよな…

と思い返す。