本物のメイドに会いに行った日

メイド喫茶ではなく、

本物のお屋敷のメイドさん

会えるところがある。

 

それは神戸北野町にある洋館イタリア館だ。

 

神戸には異人館と呼ばれる、

洋館がたくさん残っている場所があり、

何年か前に私は尋ねに行った。

 

通常ならプレミアムパスを買えば

提携している洋館がいくつか見える。

 

ふらふら歩いていたら、

「本物のメイドがご案内する

洋館ツアーはいかがですか?」

と、洋館の前でメイドさんに話しかけられた。

 

そのメイドさんがいる洋館はパスでは

入れないという。

何か並々ならぬ、

こだわりがあるのではないかと感じ

私は入っていくことにした。

 

そのメイドさんが私につきっきりで

細かく装飾品などの説明をしてくれる

ので、深く鑑賞する事が出来た。

 

洋館は普段は一般的に解放されているが、

数年前まではオーナーさんが

実際に住まわれており、

今も一部の部屋は、

ディナーを取ったりした際に

使われているらしい。

 

例えばエントランス床のモザイク画は

何度擦れても剥離したりしないよう

タイルではなく大理石の柱が

埋め込まれているとか。

 

そんな事は言われないと

想像もつかない。

 

中にある絵画や彫刻、木彫りの美しい家財も

普通だったらあんな高価な品々、

近くで見ることは

出来ないだろう。

 

木彫りの家具も手で触れて

感触を確かめることができる。

 

中でもびっくりしたのが、

 

コーヒーカップ&ソーサーのコレクションだ。

 

海外ホテルのラウンジで

実際に使われていたものが、

ずらりと並んでいる。

 

聞けば、オーナーさんが、

海外出張した際に、ホテルに足しげく通い

仲良くなって、譲ってもらっているのだとか。

 

ここのオーナーさんは何者?!

 

こんなに家財が揃ったお家を

一般解放させて、観光客に見せてくれるなんて

なんて粋な計らいをする方なのだろう!

そう思わせずにはいられなくなる。

 

中でお茶もとることができたが

時間がなかったので、

メイドさん手作りクッキー」を買って

外へ出た。

 

今思い返しても

なかなか出来ない経験を

させてもらった洋館だった。